カメラは本来とてもシンプルな仕組みだ。
レンズから光を取り込み、適正露出になるようにシャッターを開き、フィルムやセンサーに光を当てる。
古いフィルムカメラは『絞り値』、『シャッタースピード』を自分自身の手で設定するマニュアル露出のものばかりで難しく捉えられがちだが、明るささえ正確に測定することができれば、カメラのシャッタースピードなどが狂っていない限り失敗写真にはならない。
そこで今回は、フルマニュアルのカメラを持ち出し、露出計で明るさを測りながら撮影をしてみた。
オート機能が付いているカメラの露出計は『反射光式』と呼ばれるもので、カメラを向けた先の被写体の明るさを測定している。
一方で『入射光式』というものもある。
カメラマンがモデルの顔のそばで、明るさを測っているのを見たことがないだろうか。
あれは入射光式で、その場の光を測る方式だ。
反射光式の場合、被写体の色ごとに異なる光の反射率の影響を受け、白はアンダー露出に、黒はオーバー露出に測定されてしまう。
また逆光でも測光は狂う。
だからカメラのオート撮影では『露出補正』が必要になる。
風景写真など物理的に距離がある場合は反射式を使うしかないが、数歩歩くだけで済むようなポートレートなどの場合は入射光式の方が精度が高い。
カラーネガは露出のさほどシビアではないと言われるが、適正露出で撮影をするのがもっとも美しい写真になるのは間違いない。
フォーカシングも露出もオートで撮るスピード感も大切だが、ときにはゆったり光と向き合いながら撮影するのもおもしろい。
忍野さら×代官山・中目黒
CAMERA:FUJICA GL690/Canon EOS7
FILM:Kodak EKTAR100
AFカメラで撮影。露出もオート。動きのある写真に向く
フルマニュアル中判カメラで撮影。顔の明るさを測光したので背景は明るい
強い西日も顔を基準に測光すれば露出オーナーにならない
FUJICA GL690
フジフイルム製の6×9中判カメラ。ライカをそのまま巨大にしたようなカメラ。幅30センチ弱もある。6×9の大きなフィルムサイズならではの高画質。
撮りたい場所で光量を測定すれば、その光量に対して適正露出となる絞り値/シャッタースピードの組み合わせが読み取れる。レトロな見た目だが現行品だ(SEKONIC スタジオデラックスIII)。
FILM CAMERA MANUAL
フィルム写真にこだわった活動を続けている本連載の執筆者が、「いまのフィルム環境」を念頭に編集したフィルムカメラ使い方ハウツームック。いまからフィルムを趣味にしてみては。全国書店・家電量販店書籍コーナーなどで発売中。2000円+税。
忍野さら:model
DVDが売れに売れて、“日本一売れてるカラダ”の異名を持つ、今年さらなる躍進が期待される、Gカップグラドル。
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鈴木文彦(snap!):Photo/Text
フリーランスエディター/フォトグラファー。
フィルム写真『snap!』創刊以降、趣味の写真に関する雑誌・ムック・ワークショップなどを手がける。
主な著書は『フィルムカメラの撮り方BOOK』、『中判カメラの教科書』など。
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