グルメ カルチャー

それでもカレーは食べ物である その6 もてなしの心深いパキスタンレストラン『カラチの空』

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ヤシオスタンの優しきムスリム紳士の元へと旅をしよう

『ヤシオスタン』という言葉を聞いたことがあるだろうか。

カスピ海の右側に集中する、アフガニスタンやカザフスタンなど、『スタン』が国名に入る国がある。

『場所』という意味だそうだ。

ヤシオスタンは埼玉県八潮市にある。

市役所周辺を指してこう呼ぶ人がいる。

パキスタンコミュニティーがあり多くのパキスタンの人が住んでいるところから来たようだ。

地元の日本人にも評判のパキスタンレストラン『カラチの空』はわたしのお気に入りだ。

 

駅から歩くと20分かかるという場所ではあるが、大変人気でひっきりなしにお客がやってくる。

店を切り盛りするのは笑顔にヒゲが似合う店主のジャベイドさん。

 

なにがお薦めかと聞けば丁寧に教えてくれる。

彼にパキスタンのうまいものを選んでもらった。

チキンビリヤニはパキスタンスタイルの炊き込みご飯だ。

 

程よいスパイス、ごはんの底に隠れた大きな骨つきチキンはプリッとした弾力がうれしく舌触りがよい。

チキンジンジャーは、生姜の効きも心地よい、体の内側から汗が押し出されるようなカレー。

 

フレッシュチリが爽やかだ。

もう一つのカレーはマトンコルマ

 

これ、ただ事ではないマトンの仕上がりなのだ。

臭みがまるでなく大変チャーミングな香りだけが漂う。

丁寧な下処理と、長くマトンを扱う歴史の賜物がこれだ。

眼を剥くうまさで必ずオーダーせずにはいられない。

どちらも肉の扱いに長けた、パキスタンのコックさんならではの技を感じる。

カシューナッツチキンは、パキスタンチャイニーズといえるジャンル。

とろみのついた餡と炒飯の組み合わせだが、どこか中華料理ではない雰囲気を感じる。

アジアを旅していると出会う、中華の看板を掲げるがコックは現地の人が務める食堂で出るような料理の趣きがある。

まるでバックパッキングの旅に出たような気分だ。そう、ここでは食事は旅に出た時のように楽しむのだ。

ジャベイドさんはイスラム教を信仰する男。

昨今の事件と報道でネガティブに考える輩も多いと聞くがムスリムの人々はとても優しい。

日本人が忘れかけたもてなしというものを知っている。

相手のことを思いやり、心を寄せてくれる。

むしろ今は日本人の方が情に浅く他人に無関心ではないか。

だからジャベイドさんに優しく接してもらうと、誰かと言葉をかわし、その中で心温まるものを得る幸せというものがあったことを思い出す。

 

「夢は新しいお店、二軒目のお店を開くこと」とジャベイドさんは話す。

八潮までは少し遠い地域に住むパキスタンの人や、日本の人にも本物のパキスタン料理を出してあげたい。

誰かが喜んでくれることが彼の喜び、目標なのだ。

「息子を呼び寄せて店を任せたいのです」と語るその微笑みは優しく慈愛に満ちている。

ムスリムの人は皆、懐深く優しい人ばかりなのだ。

 

チキンビリヤニ(972円)、チキンジンジャー(1080円)、マトンコルマ(972円)、カシューナッツチキン(1080円)。宗教上酒類販売なし。持ち込み可能なので問い合わせのこと。パーティーコースも格安。

 

 

[ カラチの空 ]
住所 埼玉県八潮市中央1-7-11 三木ビル1F
電話 048-933-9888
交通 つくばエクスプレス八潮駅 北口バス停 草加04草加駅東口行乗車〜八潮メセナバス停下車徒歩1分
営業時間 11:30~23:30(L.O23:00)
定休日: 無休
http://www.yashio-karachinosora.com

 

イイヅカアツシ/はぴい
ライター。フードジャーナリスト。食べ歩きスターチーム『たべあるキング』メンバー。著書『iPhone×Movieスタイル』、『カレーの本』。ブログ『カレーですよ』では13年、5000記事を超える実食カレー記事掲載。

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