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豊かな自然と温泉で、国内外から訪れる観光客に人気の群馬「伊香保温泉」。石段の温泉街が有名だが、名所旧跡や著名人ゆかりのスポットも盛りだくさん。都心からわずか90分ほどというアクセスの良さも魅力だ。東京から１泊２日で出かけるのにちょうどの距離で、気軽に旅をするには最適の温泉地となっている。
取材日、列車で渋川まで行き、バスに乗って伊香保温泉街へ。時刻は午後２時過ぎ。とりあえず予約しておいた旅館『K』にチェックイン。部屋に荷物をおいて一息ついてから、気を取り直し伊香保の名所である石段街へと繰り出した。
寒い、とにかく寒い。前日からの大寒波の影響で外は凍りつくような寒さである。坂道を進みやっと辿り着いた石段街にはほとんど人がいない。それどころか飲食店すら営業していないのだ。冷たい空っ風に吹かれながら、寂れた石段街を歩いていると北関東温泉街の凋落ぶりを感じぜずにはいられなかった。
石段街を見た後は、源泉地の露天風呂に入りに行くことにした。人気のない石段街を上りきり、川沿いを10分ほど歩いていくと朱塗りの橋が見えてきた。橋を通り過ぎ、さらに奥へ進むと目的の『伊香保露天風呂』に無事到着。源泉が直接注ぎ込まれる掛け流しの風呂で、地元の人に混じって湯に浸かると不思議と心が和む。風呂の後はタクシーで旅館に直行。湯上がりに街歩きするにはあまりに寒すぎた。
伊香保温泉は近隣の草津温泉のような賑わいはないが、そこが味があっていい。寂れた雰囲気が石段の街によく合っており、独特の風情があるのだ。静かに温泉街を旅行したいときにピッタリな穴場と言えるだろう。
伊香保温泉
万葉集の歌に詠まれるほどの歴史がある。
365段続く石段と黄金の湯と呼ばれる鉄分を含んだ湯で有名。
【ディープスポット その31】
→つづく。
取材・文 イコマ師匠…『俺の旅』編集長。徹底した現場取材をモットーとしている。全国の歓楽街、観光名所、名物グルメを完全網羅。『俺の旅web』の編集長ブログで取材ルポ日記を紹介している。
