去る5月6~11日、、今年もバチカンで悪魔祓い師(エクソシスト)の養成講座が開かれた。理由は、世界各国で悪魔祓いが急増する一方、訓練を受けたエクソシストの数が足りないためだ。
バチカン公認の国際エクソシスト協会では、悪魔祓いの儀式を行う前に、必ず医師の診断を受け、身体あるいは精神の疾患を排除するという。それでもイタリアだけで年間50万件を超える数の報告があったのだ。
これは一大事! ということで、エクソシスト養成講座が毎年開かれるようになった。
しかし今回が特別なのは、カトリック以外の教派の聖職者も参加したこと。異なる教派が一堂に会してエクソシズムの経験について語るのは、今回が初めてだとか。
今回、カトリックの他にプロテスタント、ルター派、ペンテコステ派、東方教会からはギリシャ正教会の代表が、協議するために集まったのは画期的なことだった。
この訓練コースの目的は、エクソシズムの実戦経験に焦点を当て、悪魔祓いのスタンダードを見出すことだという。学ぶ分野は幅広く、神学、典礼学、教会法といったキリスト教知識から、人類学や現象学、さらには医学、神経科学、薬理学はおろか、犯罪学や法学上の内容までが含まれる。
超党派ならぬ超教派をめざすカトリック教会。悪魔祓いの世界標準は見出せるのか?