大鳥居が海に浮かんでいる! 日本三景のひとつ安芸の宮島にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)は、海を敷地とした大胆で独創的な配置構成をしている。平安時代の寝殿造りの粋を極めた日本屈指の名社であり、廻廊で結ばれた朱塗りの社殿は、潮が満ちてくると海に浮かんでいるような不思議な建築美をたたえている。
厳島神社は平成8年に世界遺産に登録された国宝・重要文化財であり、宮島最大の観光スポットでもある。原始宗教のなごりで、島全体が神の島として崇められていたことから、陸地では畏れ多いと潮の満ち引きするところに社が建てられたという。
取材日は、午後から宮島行きのフェリー乗り場へ直行。10分ほどで無事宮島に着いたものの、天候不良で帰りの便が欠航になる恐れがあると聞き、急ぎ足で厳島神社、五重塔へ。厳島神社の朱塗りの回廊に足を踏み入れると大人心に嬉しさが湧き出てくる。そこを歩いているだけでウキウキしてくるのだ。
厳島神社は、満潮時には社殿が海に浮かぶように見える。船の上から見るとより神秘的である。まるで竜宮城に行くようだ。潮が引くと、社殿の印象はすっかり様変わりする。この変化の大きさもユニークで面白い。
海上に建ち並ぶ建造物群と背後の自然とが一体となった景観は、人類の創造的才能を表す傑作だ。平清盛によって造営された神聖な島の神社へ、ぜひ一度足を運んでみよう。
厳島神社
宮島桟橋より徒歩12分
営業時間 主に6時30分~18時(秋冬は17時~17時 30分)
【名所ガイド その13】
→つづく。
取材・文 イコマ師匠…『俺の旅』編集長。徹底した現場取材をモットーとしている。全国の歓楽街、観光名所、名物グルメを完全網羅。『俺の旅web』の編集長ブログで取材ルポ日記を紹介している。