「なまはげ」。秋田県の男鹿半島周辺で行われてきた年中行事、あるいは行事において、仮面をつけ藁の衣装をまとった神の使い(来訪神)のことだ。この「なまはげ」の全てに触れられるのが男鹿の『なまはげ館』だ。
男鹿の「なまはげ」は、大晦日の晩、それぞれの集落の青年たちがなまはげに扮して、「親の言うこと聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡るもの。男鹿の人々にとってなまはげは、怠け心を戒め、無病息災・山の幸・海の幸などをもたらす神様である。
取材日は、秋田市内でレンタカーを借りて男鹿半島へ。1時間ほど走って目的地の『男鹿真山伝承館』に到着し、なまはげの実演を生体験する。
「オ~オ~オ~~!! 泣く子はいねが~、隠れてる子はいねが~~!」(なまはげ)
大きな声と音を立てて迫ってくるその圧倒的な迫力に、子供達は「ごめんなさい、ごめんなさい!!」と泣き出し、それを見て笑っている大人達もちょっぴりタジタジに。かなり面白い感激体験だった。
なまはげを迎える家では、昔から伝わる作法により、料理や酒を準備して丁寧にもてなす。昭和53年には、「男鹿のなまはげ」として、重要無形民族文化財に指定されている。
『なまはげ館』と『男鹿真山伝承館』はすぐ隣にある。『男鹿真山伝承館』でなまはげを実体験してから、『なまはげ館』でなまはげについての様々な事柄を学ぶのがいいだろう。
『なまはげ館』
営業時間 8時30分~17時
入館料 大人500円
休館日 年中無休
『男鹿真山伝承館』
開講期間 4月~11月
【名所ガイド その11】
→つづく。
取材・文 イコマ師匠…『俺の旅』編集長。徹底した現場取材をモットーとしている。全国の歓楽街、観光名所、名物グルメを完全網羅。『俺の旅web』の編集長ブログで取材ルポ日記を紹介している。