「奈良の大仏」と知られる東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう)。子供のころ、修学旅行で訪れたが、大人になってから改めて見上げると、当時は分からなかった魅力を感じることができる。
奈良の大仏様は、聖武天皇の発願で天平17年(745年)に制作が開始され、天平勝宝4年(752年)に開眼供養が行われた。その後、2度の兵火で損傷し、現在の大仏は元禄4年(1691年)に仏頭などが修造され、翌年開眼供養したものとされており、国宝に指定されている。
取材当日、午後12時39分、近鉄奈良駅に到着。五重塔→奈良公園→東大寺→大仏殿→正倉院と観て回る。大仏様はとにかくデカイ! 無表情だが貫禄は十分だ。
正面、左側、右側と角度を変えて見ると、その微妙なポーズと見え方の違いに驚かされる。右手の中指が前に出ていたり、左手の指がわずかにずらしてあったりと、造りが精密で繊細なのだ。
正面から眺めた姿は、まさに神様そのもの。後光が挿していると言ってもいい。はるか昔から、人々が神様として崇めてきた凛々しい姿がそこにある。
東大寺の大仏殿は、観光に来た外国人や修学旅行の子供たちでいっぱい。奈良公園の鹿は、エサの鹿センベイめがけて集まってくる。ちょっと怖かった。
大仏様は、左手で宇宙の智慧を、右手に慈悲をあらわしながら、人々が思いやりの心でつながり、絆を深めることを願っているという。何度も観ても魅入ってしまう、素晴らしい人物なのだ。
東大寺の大仏殿
拝観料 大人600円
営業時間 4月~10月 7時30分~17時30分
11月~3月 8時~17時
【名所ガイド その7】
→つづく。
取材・文 イコマ師匠…『俺の旅』編集長。徹底した現場取材をモットーとしている。全国の歓楽街、観光名所、名物グルメを完全網羅。『俺の旅web』の編集長ブログで取材ルポ日記を紹介している。