蒸気機関車に乗れる! 愛媛県松山市を駆け抜ける「坊ちゃん列車」は、明治時代に実際に松山市内を走行していた蒸気機関車を復活させたもの。非電化・軽便鉄道時代の伊予鉄道に在籍したSLおよび、そのSLが牽引していた列車である。
夏目漱石の小説『坊ちゃん』の中で、軽便鉄道時代の伊予鉄道が「マッチ箱のような汽車」として登場しており、四国・松山の中学校に赴任する主人公の坊っちゃんがこれに乗ったことから、「坊ちゃん列車」と呼ばれるようになった。
道後温泉駅の前には記念撮影をする人々でいっぱい。『坊ちゃん』に出てくるマドンナの衣装を着たガイドの女性とともに、団体さんがにこやかに撮影を楽しんでいる。
実際に乗ってみると、思った以上に爽快。ガタゴト、ガタゴトと音を鳴らしながら、松山市内をカッコよく駆け抜ける。これはいい。旅情たっぷりである。
運転席には二人の車掌が明治時代を思わせる出で立ちでしっかりと梶を取っている。客席は穏やかな木目造りで、アンティークな気分を味わえる。
レトロで重厚感あふれる坊ちゃん列車は、今や松山の名物である。現在はディーゼル車両として復元しており、かつてのように黒い煙を吐き出して走ることはないのでご安心を。松山に来たら一度は乗っておきたいユニークなトレインである。
坊ちゃん列車 営業時間9時30分~17時33分(松山市駅~道後温泉駅) 年中無休
【ディープスポット その3】
→つづく。
取材・文 イコマ師匠…『俺の旅』編集長。徹底した現場取材をモットーとしている。全国の歓楽街、観光名所、名物グルメを完全網羅。『俺の旅web』の編集長ブログで取材ルポ日記を紹介している。