プロレスラーは本当に強いのか?
格闘技とプロレスを混同する日本ではたびたび論じられるテーマである。
しかし、プロレスの本場であるアメリカでは、そんな議論は起こることはない。
プロレスは“エンターテイメント”であり、“強さ”を競うものではないとされているからだ。
そんなアメリカでも、かつては違っていた。
ショー的要素は多分にあるものの強い者がチャンピオンになる……プロレスとはそういうものだったのだ。
1905年フランク・ゴッチを初代王者に始まったNWA世界ヘビー級王座は、その後数々の強豪によって争われ、1937年には力道山も一度も勝てなかった世界最強の鉄人ルー・テーズへと受け継がれる。さらに、ドリー・ファンクJr.、ハリー・レイス、ジャック・ブリスコ、ジャイアント馬場といった実力者が名を連ねた。
そのプロレス界の世界最高峰といわれたNWA世界ヘビー級王座の“権威を地に落とした”と非難されたのが、狂乱の貴公子リック・フレアーである。
Chase Your Dreams And Don’t Be Afraid To Take Risks Along The Way! WOOOOO! #champ #advice pic.twitter.com/3OUx4NWYHa
— Ric Flair® (@RicFlairNatrBoy) January 22, 2019
パフォーマンス重視のまさにエンターテイメント。
現代アメリカンプロレスの権化といわれたレスラーである。
“チャンピオンは強い者がなる”というのを完全否定するがごとく、頭脳派プレーで反則勝ちやNWAのルールの盲点を突いた反則負け防衛(NWA世界王座は反則がらみでは異動しない)などを重ねた。
相手が猛攻をしかけると媚を売るふりをして逃れるといった決して“強いチャンピオン”という印象はなかった。
しかし、近年動画サイトに投稿された映像にはリック・フレアーの“実力者”たる姿が映し出されていた。
「フレアー」「ガチンコ」で検索すればこの映像が見つかる。
試合開始前と思われるリングで突然ガチンコのスパーリングが始まる。
Tシャツを着たままのフレアーはバックを取ったまま完全に相手をコントロールし、
足をガッチリロックして制すると、
おもむろに立ち上がり、得意の“フレアーウォーク”でおどけて見せる。
2人目の相手もほぼ完封し、ピンフォールを奪う。
強い!
現在であれば打撃さえ覚えれば、UFCなどMMAにも十分対応できるだろう。
ショーマンシップ王者、“NWAの権威を地に落とした”と言われたリック・フレアーだが、まったくそんなことはなかった。
実は本当に強いチャンピオンだったのだ。
2012年に一応(w)現役を引退したフレアー。
現在はTwitterでその近況を知ることができる。
https://twitter.com/RicFlairNatrBoy
その投稿を見る限り、まだまだプロレスが大好きなようだ。
現役時代の写真も多数掲載しているので、オールドファンも楽しめることだろう。
It’s Flair Friday! Give It Everything You Got! WOOOOO! pic.twitter.com/8S4Ph0KSDl
— Ric Flair® (@RicFlairNatrBoy) January 18, 2019
Do What Makes You Happy! WOOOOO! pic.twitter.com/xMI3smgEnm
— Ric Flair® (@RicFlairNatrBoy) January 5, 2019