どんな業界にも“幻の”というものが存在する。
釣りであれば絶滅危惧種の幻の魚・イトウ。
サケであれば、1万匹に1匹というアムール川産の鮭児。
ボクシングであればガッツ石松の“幻の右”など。
そんな“幻の”が車業界にも存在する。
1969年にたった1台だけ製造されたランボルギーニ・
日本ではちょうどスーパーカーブームでスーパーカーカードが大人気に。なかでもイオタはカウンタックに並ぶ超人気車種だった。
“幻の車”は日本車にも存在している。
それが日産のMID4だ。
1985年9月に開催されたフランクフルト・
しかし、この発売中止が玩具業界にも影響を及ぼした。
当時、少年たちに大人気だったチョロQ。
ディフォルメされた車体とチョトチョトと走る姿がかわいらしいア
これがMID4の発売に先駆けて、発表後にリリースされたのだ。
「
こう語るのは、昭和玩具研究家の大宮真之輔氏。
実車の発売中止がオモチャまで幻化させる雪崩現象が起こっていた
そして……。
「当然、MID4のチョロQはプレミア化したわけです。
思わぬオトナの事情で高値となってしまったMID4のチョロQ。
当時、入手した子どもはそんな事情は知る由もなかっただろう。
“幻の”は本来、意図して作られるものではない。
決して、KOを狙って繰り出されるガッツ石松のパンチとは違う。
だからこそ、