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瀧被告出演の「麻雀放浪記2020」公開 作品に罪はない

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コカインを摂取したとして麻薬取締法違反の罪で起訴されたテクノバンド、電気グルーヴのメンバーで俳優、ピエール瀧(本名・瀧正則)被告(51)が出演する映画「麻雀放浪記2020」(白石和彌監督)が5日、初日を迎えた。他の出演作や出演番組で降板、対応協議中、打ち切り、音楽作品の出荷停止と自粛ムードの中、出演場面をカットせず公開に踏み切った配給会社の東映の判断に、賛否が飛び交っている。

「20代のころからコカインや大麻を使用していた。ストレス解消のために使った」などと供述するなど、常習性が疑われだけに、「どんな素晴らしい演技をしても、音楽を奏でてきたとしても、その時も使用していた? といった疑問がついて回る。『麻雀-』では重要な役どころでもあり、観客はその演技を邪推なく見ることはできないのでは。判断能力の未熟な年代が薬物使用に対して誤認識してしまう恐れもある」と、複数の問題点を、ある夕刊紙デスクは指摘。一方で、「テレビと違い、映画や舞台は、判断を観る側に委ねることができる。薬物問題にそれぞれの考えを深め、問題提起するきっかけになる可能性もある」と某社の映画担当記者は好意的に捉えている。

またミュージシャンの坂本龍一(67)は「なんのための自粛ですか? 電グルの音楽が売られていて困る人がいますか? ドラッグを使用した人間の作った音楽は聴きたくないという人は、ただ聴かなければいいんだけなんだから。音楽に罪はない。」とツイートした。渦中の作品を撮った白石監督(44)は、邦画界で今ノリに乗っている気鋭の若手。白石組の個性派俳優として信頼を寄せて瀧被告を今作を含め4作で起用しきただけに、初日、各社の取材に応じた際には「友人として…」と目を赤くした。瀧被告と高校時代からの「相方」こと電グルの石野卓球(51)は、連日ツイートし「I love you」のメッセージも送った。

同作に関しては、問題勃発以前に、東映のプロデューサーが「マスコミや関係者向けの「試写を一切行わない」と有言実行してきた。そこにきて、3月20日、多田憲之社長自ら白石監督とともに会見。「スタッフが総力をあげて作ったものをボツにしていいのか、(近年の作品自粛傾向を)はなはだ疑問に、行き過ぎと思っておりました。劇場での上映は有料であり、かつ鑑賞の意思を持ったお客様が来場し、鑑賞するというクローズドなメディアであり、テレビまたはCM等とは性質が異なります。コンプライアンスの面で悩みもしたが映画会社の責任として公開をしたい」と言い切った。ヤクザ映画でならしてきた邦画大手の雄らしい〝啖呵切り〟だった。

マスコミ、関係者向けに東映が公開日前までに送付した、プレス資料とムビチケカード

今回の公開の是非は、薬物依存者やストレス社会への対応にも繋がる根深い問題ですぐに答えが出せるものではないが、疑問を呈し世論を活発化させた部分では、まずは東映の英断と言えるかもしれない。

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