この不規則さは化学反応の賜物であり、階調豊かな滑らかな描写の源となっている。
一方のデジタルデータは粒子ではなくてドット。
均一の大きさであり、拡大を続けていくとジャギってくる。
緻密かつ解像感溢れる描写には向くが、人の眼に優しいアナログな雰囲気はどうやっても苦手だ。
しかし、最近は写ルンですで撮られた写真の影響からか、フィルム=粒子感みたいなイメージが付きまとい、ザラザラとした粗い質感こそがフィルムの描写と捉えられている。
これは間違いで、粒状性に優れた高性能フィルムを使い適切な露出で撮ると、粒子感は目立たずに発色の良さや階調の良さこそを楽しむことができる。
今回はプロ用フィルムと謳われている『KODAK PORTRA400』を使用して撮影しているが、ハイライトからシャドウまでしっかりと表現され、ピントがピシッと合った場合はシャープに描写するというフィルムの性能の良さが見て取れる。
ちなみに、いくら良いカメラを使っていても、露出を失敗するとザラつきは出てしまう。
最近はメルカリなどで気軽にフィルムカメラを購入できるようになったが、動作はオーケーとなっていても厳密にはオート露出が効いておらず、光を取り込みすぎたり、光が足りなかったりしたまま楽しんでいる人も多いように感じるのだ。
特にアンダー露出の場合はザラ付きが顕著になる。
これを「フィルムらしい!」と喜ばず、まず最初は適正露出でキレイに撮り、フィルムの描写の良い部分を味わってみよう。
現像したカラーネガを見たとき、ネガが濃すぎたり白すぎたり、それが混在していたら、適正露出で撮れていない証拠だ。
西永彩奈×多摩川
CAMERA:Canon EOS1
LENS:RE TOPCOR 58mmF1.4
FILM:Kodak PORTR400
PRINT:POPEYE CAMERA
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日陰で撮影。日射しを浴びた川の水面も飛びきっていないところがフィルムの凄さ。
適正露出で撮影すれば、わずかな柔らかさ以外はデジタルと遜色ない優秀な描写に。
葉の影になった部分は粒子が感じられる。つまりアンダー部分は粒子が目立ちやすい。
少しピンボケ。ピンボケ写真も味として楽しめるのもフィルムの魅力のひとつだ。
西永彩奈:model
1996年1月18日生まれ。B型。
T154B79W57H87。
Aカップ美少女として、グラビア・DVDで活躍中。
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FILM CAMERA MANUAL
フィルム写真にこだわった活動を続けている本連載の執筆者が、「いまのフィルム環境」を念頭に編集したフィルムカメラ使い方ハウツームック。
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鈴木文彦(snap!):Photo/Text
フリーランスエディター/フォトグラファー。
フィルム写真『snap!』創刊以降、趣味の写真に関する雑誌・ムック・ワークショップなどを手がける。
主な著書は『フィルムカメラの撮り方BOOK』、『中判カメラの教科書』など。
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