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それでもカレーは食べ物である その3 間借りカレー専門店はカレーのライブステージだ 高円寺 ソーシャルカレーショップ 豆くじら

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間借りカレー、やどかりカレーという言葉をご存知だろうか。

大阪発祥と言われ、夜だけ営業する居酒屋やバーの昼間の空き時間を借りてカレー店を営業するというもの。

借り手は自店を出す前の腕試しと考えていたり、カレーパーティーの延長と考える者もいてさまざま、興味深い。

しかし衛生や不動産契約など多岐にわたる法律と条例、飲食店の当たり前を理解せぬ人も出ているとも聞いている。

営業店では出来ない発想の料理を生み出す価値ある店も少なくないが、同時に不安もはらんでいる。

そういう中で大変に尖ったポリシーで営業を行う店が高円寺に現れた。

現在のカレーカルチャーが生み出したとも言える、良い意味で異端の店。

『ソーシャルカレーショップ 豆くじら』。

ソーシャルカレー店を称する理由は間借りカレーをやりたい若者たちのハブ、ステージになるような場所であるから。

それこそ期間1日だけの店から通年までの借用、営業時間の幅を持って、さまざまなスタイルの“カレー”という名の付く料理を自分の屋号を掲げて提供する。

豆くじら自体は店を貸し出し、衛生面や営業などいろいろなノウハウを持って彼らをフォローアップする。

こんなスタイルは外食産業では聞いたことがなかった。

ソーシャルキッチンという言葉も聞くがここまで明確で、なおかつカレーをくくりとするのは尖っている。

文脈をひもとけば、飲食というよりもサブカルチャー、ポップカルチャーの流れに区分けできよう。

東京、高円寺というサブカルチャーの聖地に生まれたのは必然かもしれない。

小さな店内は手作り感がにじみ出るシンプルなレイアウトで大変快適。

トータル13席のこじんまりとしたホールは、まだ自店を持たぬ若者たちが一人で店を回して度胸をつけるにはちょうどいいサイズであろう。

この日の2種盛りのカレーは今日の間借り店whaleのメニュー。

キーマはクローブ、シナモンが心地よく香り肉粒大きく噛み心地が楽しいもの。

レンコンが刻まれて入っており、食感に変化が出るのもいい。
ポークビンダルーは酸味と辛さのバランスが絶妙で、クセになる印象深いものだった。

大変おいしい。

豆くじらの代表、藤枝さんは間借りという業態全体を見通す視点を持っている。

飲食店経験と外食産業の営業という前職で見知った見地を生かして、幅広い、カレーだけに限定しない間借り業態の未来を考え、見すえている。

「想像を超える種類の幅が出てくるのが面白いんです。カレーのハンバーガーやそば店まで、ここで営業されていきました」と語る。

若い店主たちに歯に衣着せぬストレートな意見も繰り出す藤枝さんは、将来、間借りカレーの基礎を皆に広めた間借り飲食の父ともなる人ではないか。

このカレーのライブハウスのような場所に座り、そんなことを予感している。

 


「whale 2種セット」 (1000円)。

価格とメニューはその日に営業している屋号による。

[ ソーシャルカレーショップ 豆くじら ]
住所 東京都中野区大和町1-31-4
電話 03-6671-3117
交通 JR中央線高円寺駅 徒歩8分
営業時間 12時〜20時30分(屋号によって営業時間変更あり)
定休日 年中無休(不定休あり)
SNS(Twitter、Instagram、Facebook) @mamekujira2018
HP https://mamekujira.gorp.jp/

 


イイヅカアツシ/はぴい
ライター。フードジャーナリスト。食べ歩きスターチーム『たべあるキング』メンバー。著書『iPhone×Movieスタイル』、『カレーの本』。ブログ『カレーですよ』では13年、5000記事を超える実食カレー記事掲載。

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